ここでは、生産管理システムを自作する方法やメリット・デメリット、ポイントなどを紹介します。
生産管理システムをExcelで自作することが可能です。Excelは多くの企業で既に導入しているため、追加コストは不要。
そもそもExcelは、データの集計や計算、グラフ化などを得意とする表計算ソフトです。マクロ機能やVBA機能、ガントチャート機能などを活用すれば、「繰り返し行われる作業の自動化」「複雑な処理の自動化」「スケジュールの見える化」などを実現できるでしょう。
ただし、大規模な生産管理システムを希望している場合は、要注意。Excelには「データ量に上限がある」「複数人での同時編集は不可」「データ量が増えるほど動作が遅くなる」といったデメリットがあるため、大規模なシステムには向きません。少人数で小規模に使用する生産管理システムの開発に適しているでしょう。
Accessは、大量なデータの管理・保存ができるデータベース管理ソフトです。製造業で導入していることが多く、フォーマットやテンプレートが豊富に用意されているのが特徴。なお、顧客管理や販売管理のシステムならExcelよりも比較的容易に開発できるといわれていますが、生産管理システムのフォーマットやテンプレートは多くありません。
また、Accessは複数人での同時編集も可能ですが、動作が遅くなりやすい点に注意。さらに、操作にはデータベースに関する知識が求められるため、「誰にでも扱いやすいか」という点においてはExcelの方が優れているでしょう。
ExcelやAccessではなく、プログラミングによって生産管理システムを一から自作することもできます。ExcelやAccessでは各ツールが対応する機能の範囲でしか自作できませんが、プログラミングなら対応可能。自社の規模や業務に合った生産管理システムを自作できるでしょう。
ただし、プログラミングによる開発には、システム開発のスキルや経験が豊富な人材が必要。自社に人材がいない場合は、プログラミングによる自作は難しいでしょう。
生産管理システムのパッケージを導入した場合、数百万円もの高額なコストがかかるのが一般的。導入する規模によっては、数千万円かかるケースもあるでしょう。
その点、生産管理システムを自作すればコストを大幅に抑えられます。自作にはExcelやAccessなどを利用する方法がありますが、既に導入している企業が多いでしょう。そのため、自作にかかるコストは開発する担当者の人件費が中心です。プログラミングによる開発を行う場合でも、高額な費用はかかりにくいでしょう。
生産管理システムを自作する場合、カスタマイズは比較的自由に行えます。導入時に業務に影響しにくいため、現場の混乱を防ぐことができるでしょう。
一方、パッケージシステムでカスタマイズを行う場合、システムに業務を合わせるなどの影響で現場が混乱するリスクがあります。
自作した生産管理システムでは、運用中の変更も比較的容易です。導入後に追加要望や変更が生じることは、少なくありません。そのため、変更を柔軟にできる点は、生産管理システムを自作する大きなメリットといえるでしょう。
一方、パッケージシステムでは、運用中の変更にあたり、追加のコストがかかったり、開発に時間がかかる可能性があります。
生産管理システムを自作することは、簡単ではありません。プログラミングによる開発はもちろん、ExcelやAccessなどのツールを使用する場合でも、相応の専門知識とスキルがなければ難しいでしょう。
そのため、「自社内にシステム開発の経験をもつ人材がいない」という場合は、パッケージの生産管理システムを導入する方が適しています。
たとえば、ExcelやAccessを使って生産管理システムを自作する場合、各ツールで対応できる機能までしか開発できません。本格的な生産管理システムを希望していても、「自作では対応できない」といったケースもあるでしょう。
また、プログラミングを用いる場合でも、たとえば「大量のデータをスピーディに処理できる機能が欲しい」「複数の外部システムと連携したい」などの要望がある場合、自作では限界があります。専門のシステム会社に開発を依頼する方が望ましいでしょう。
生産管理システムを自作した後は、運用後も定期的なメンテナンスを行う必要があります。不具合の修正やセキュリティ対策など、情報システム担当者は常にシステムの運用・保守業務を行うことになるでしょう。
一方、パッケージシステムを導入した場合、導入後のメンテナンスはベンダーが行ってくれます。保守のための費用がかかりますが、メンテナンスに自社で手間をかける必要がありません。
生産管理システムの自作には、専門的な知識やスキルが必要です。そのため「自社にシステムを自作するノウハウがない」といった場合は、自作は難しいでしょう。
また、「豊富な機能が欲しい」「大量のデータを処理したい」といった希望がある場合も、自作ではなくパッケージシステムを導入した方が良いでしょう。
さらに、「導入サポートを受けたい」「メンテナンスの手間を減らしたい」という要望にも、自作では対応することができません。パッケージシステムを導入し、ベンダーのサポートを受けることをおすすめします。
生産管理システムを自作するにあたり、「どんな課題を解決したいのか」を明確にすることが大切。現状の管理方法や体制を確認し、課題の洗い出しを行いましょう。
たとえば、「現在、何を使って生産管理を行っているか」「どんな項目を管理し、どんな帳票があるのか」「部署間の連携はどうか」など、さまざまな視点で考えたうえで課題や要望を整理します。
生産管理システムは、ITに不慣れな方も扱う必要があるシステムです。そのため、使いやすさは重視すべきポイント。「専門知識がなくても使える」「タブレットやハンディ端末などで直感的に操作できる」といった点を重視しましょう。
始めから完璧なシステムを目指すのではなく、スモールスタートから改善を繰り返すのがおすすめです。スモールスタートなら失敗リスクを抑えられるうえ、業務効率化がスピーディになりやすいためです。
最初は機能を絞ってシステムを作成し、必要に応じて拡張すると良いでしょう。また、一部の業務からシステムを導入するのもおすすめ。スモールスタートで導入した後は定期的に効果測定を行い、改善を加えていきましょう。
パッケージシステムと比較すると、自作した生産管理システムは不具合発生のリスクが高いといわれています。開発時のミスによってエラーが発生したり、動作速度が遅くなるほか、システムが突然動かなくなることも。また、災害発生時のサーバー・PCの故障によってシステムとデータが失われるリスクもあります。
そのため、開発時の綿密なテストはもちろん、定期的なメンテナンスが欠かせません。データのバックアップを取っておくことも大切です。
システムを自作するデメリットのひとつに「属人化しやすい」という点があります。「一部の担当者しか操作やメンテナンスができない」といった場合、その人材の不在によって運用・保守が困難になる可能性があります。
そのため、「設計書を残しておく」「開発方法等を示したマニュアルを作成する」「運用変更時には書類を更新しておく」といった対策を行いましょう。
引用元:ネクスタ公式HP
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