目次 閉じる
製造業の業種・業態には、加工業や組立業、配合業など様々あります。生産管理システムを導入する際には、自社の業種・業態に合ったシステムを選ぶことが大切です。
ここでは、数ある製造業の中から「加工業」をピックアップ。加工業者が生産管理システムを導入する際のポイントを3つにまとめました。加工業が生産管理システムを導入する際には、「工程管理」「共通材料の在庫管理」「工程間の仕掛在庫管理」の3点を実現するシステムを検討しましょう。
加工業における生産管理の現場では、工程計画と工程進捗管理が最も重要なポイントとなります。
各工程の生産能力に対する負荷状況に応じて優先順位を設けながら、工程進捗を管理していくことになります。
工程管理や工程進捗管理をExcelで管理するためには、多くのファイルを作成し管理しなければならなくなります。ファイル数が増えれば増えるほど、必要な時に迅速に必要な情報を引き出せない恐れがあるでしょう。
また、担当者ごとに異なるファイルを管理していることもあるため、社内での情報共有にも支障があります。加えて、Excelは常に人の手作業で行われる以上、誤った情報を入力して上書きしてしまうなど、様々なヒューマンエラーのリスクを避けられません。
生産管理システムを導入すれば工程と進捗が可視化されるため、正確かつ迅速な管理が可能となります。各工程の生産能力を考慮した工程計画を立てたり、製造指示書を発行したりすることなども、生産管理システムの得意分野です。
加工業では、同じ材料を別々の製品に利用する例が少なくありません。そのため、他の製品にも利用できる特定の材料(共通材料)が必要となった場合には、少しでも安く手に入るタイミングで、まとめて発注することが基本です。
すぐには使う予定のない材料も一時的にまとめて発注することから、在庫管理が必要となることがあります。生産管理システムを導入する際には、共通材料と在庫管理の視点で機能を比較することが大切になるでしょう。
材料は共通であっても、製品ごとに使われるタイミングが異なるため、Excelによる在庫管理は非常に煩雑となります。同じ材料でも単位を変えて管理する必要があれば、さらにExcel管理は難しくなるでしょう。
また、基本的にExcelは人の手作業で情報を更新するツールなので、煩雑を極める発注管理・在庫管理においては、入力ミスや誤情報の上書きなど、ヒューマンエラーが生じるリスクもあります。
さらに、在庫管理は高度なスキルを要する業務となるため、これをExcelで管理すれば属人化してしまう恐れがあります。スキルを持つ社員が不在の時には、在庫管理が滞るかもしれません。
生産管理システムを導入すれば、共通材料の発注管理や在庫管理が半ば自動化されるため、手間が省けることに加え人的ミスも減少します。管理の主要業務が人ではなくシステムとなるため、属人化リスクが起こる恐れも減るでしょう。
加工業においては、工程の途中までは同じ品目でありながら、途中から工程が枝分かれして別々の製品になる流れが珍しくありません。この際、中間加工品が在庫として発生することがあります。また、各工程での生産ロットの違いにより、仕掛品が一時的な在庫となることもあります。
加工業の生産管理においては、これら中間加工品や仕掛品の工程間在庫の管理業務が必要となります。
Excelを使う以前の問題として、もとより工程間在庫の管理ができていない加工業者が少なくありません。Excelで管理している現場であっても、工程間在庫の正確な把握とリアルタイムでの入力は困難を極めるため、有名無実化している可能性があります。
Excelでの作業効率を上げるためにマクロを使用したとしても、工程間在庫の管理が属人化してしまう問題が残ります。
生産管理システムを導入すれば、煩雑な工程間在庫の情報管理が半自動化されるため、管理業務の正確性もスピードが向上します。また、工程間在庫の数量の上限や下限を設定する機能を利用すれば、在庫管理が非常に楽になるでしょう。
自動車部品や電動工具部品などの金型作り、試作、量産などを一貫して行っている本田工業株式会社。短期での生産計画変更に柔軟に対応すること、ロットトレースの管理強化を通じて顧客満足度を高めることを目的に、従来利用してきた生産管理システムを刷新しました。
刷新の結果、生産計画変更への対応が毎日できるように。トレーサビリティや在庫管理の精度も上がり、顧客満足度の向上につながっています。
参照元URL:
大塚商会公式HP(https://www.otsuka-shokai.co.jp/products/case/honda-kogyo.html)
以上、加工業における生産管理システム導入のポイントとして、「工程管理」「共通材料の在庫管理」「工程間の仕掛在庫管理」の3点を詳しくご紹介しました。
ここでは加工業者全体に共通する一般的なポイントのみをご紹介しましたが、同じ加工業者であっても、業者によって課題や現場方針などは異なります。実際にシステムを導入するにあたっては、自社の特性も考慮のうえ柔軟な姿勢でシステム選びをすると良いでしょう。
なお、製造業向けの生産管理システムの多くは、加工業向けではなく製造業向けです。加工業向けに特化されたシステムはほとんどないため、少しでも自社の課題解決に役立てるためには、信頼できるベンダーとしっかり相談し、より適切なシステムを共に検討していくようにしましょう。
すでに生産管理システムを導入した業者の中には、莫大なコストを投入してシステムを導入したにも関わらず、現場で上手く使いこなせていない例もあるようです。そのような失敗を避けるためにも、導入に際しては、現場が本当に求めているものを理解できるベンダーかどうか、また、現場での活用シーンを具体的にイメージできるシステムかどうかを重視し、慎重にシステム選びをしていくようにしましょう。
引用元:ネクスタ公式HP
(https://smartf-nexta.com/)
30~500名
●月額支払いで始めやすい
●専任のサポートで安心
●バーコードを活用した高精度の管理も可能
引用元:富士通公式HP
(https://www.fujitsu.com/jp/group/fjj/services/application-services/enterprise-applications/glovia/pr-01/)
幅広い規模に対応
●ERPシステムの機能を幅広くカバー
●製造する製品ごとの管理方式
●マルチリンガル機能に標準対応